研究プロジェクト

ものづくりのDX

富山県の基幹産業である製造業を中心に、ものづくり産業の生産性向上やカーボンニュートラルに貢献するため、技術の研究開発を行います。具体的には、アルミ産業におけるサプライチェーン全体のカーボンニュートラルに寄与するセンサプラットフォームの開発や、製造業の現場から収集されるデータを可視化・分析するツールの開発などに取り組みます。これらの取り組みは、将来的な少子高齢化社会でも持続可能なものづくり産業の確立に寄与することが期待されます。

生産加工プロセスのアジリティ向上のための三次元計測

情報工学部/知能ロボット工学科 准教授 伊東 聡

計算機援用光学(CAE)は、製品の設計・製造や工程設計をバーチャル空間上で検討し、生産加工プロセスのアジリティ向上を目指しています。実際に加工された製品には3D CADによる設計データとの誤差が含まれます。この研究では製品形状の三次元計測により製品の誤差を迅速に検出・解析し「加工による誤差」を見える化しています。また測定機自体が有する「測定による誤差」の解析により、バーチャル空間での生産プロセス検討に必要な高精度な「誤差因子」を明らかにしています。
情報工学部/知能ロボット工学科 准教授 伊東 聡
中小製造業におけるDX -IoTとデジタルツインを用いた業務改善-

情報工学部/情報システム工学科 教授 岩本 健嗣

中小製造業の業務改善に資するツールとして、IoTプラットフォームの研究開発が行われています。IoTプラットフォームを用いた業務改善では、責任者の勘や経験に基づき口頭で指導することがあります。そのような業務改善の指導や行動が適切であったかの評価を行うため、IoTプラットフォームにデジタルツインを加え、仮想空間内に実際の工場の業務環境を再現。作業の振り返りと適切な作業工程のシミュレーションを可能にする研究開発が行われています。
情報工学部/情報システム工学科 教授 岩本 健嗣
IoTプラットフォーム可視化画面と、生産設備を再現したデジタル空間
AIを活用したDX の実現~試験データの画像解析・診断~

情報工学部/情報システム工学科 講師 大倉 裕貴

従来は試験データ(クロマトグラム)の異常判定を人間の目や経験等で行ってきたが、AIまたはDX技術等で判定を行うことにより省人化やコストダウンを目指す。富山県立大学ではAIやDX分野で優れており、その最新技術を導入することで本テーマを推進する。
減圧沸騰噴霧における噴霧蒸発過程シミュレーション

工学部/機械システム工学科 講師 大嶋 元啓

溶液をノズルから高速に噴射すると溶液は小さな液滴群からなる噴霧を形成する。これを蒸気圧以下の雰囲気に溶液を噴射すると、噴霧形成と同時に溶液内部からの沸騰により、噴霧は大きく広がり、溶液の蒸発が大きく促進される。これを減圧沸騰噴霧というが、真空場における減圧沸騰噴霧の挙動は知られていない。本研究テーマではDX教育研究センター内の計算機を用いて、減圧沸騰噴霧による溶液の蒸発過程を明らかにすることを目的としている。
デジタル信号処理・制御技術を用いた自動車内の快適性向上に関する研究

富山県立大学特別研究員 寺島 修

今後より一層の軽量化が求められる自動車の軽量化への貢献を目的に、自動車内の騒音と振動の高効率低減技術をデジタル技術を活用して開発している。

主な論文
Study on the psychological stress of occupants experienced by vehicle seat vibration in idle state via center of gravity sway measurement, Koki Shige, Ryoma Morisaki, Zhe Li, Ryo Kiyotaki, Sho Kobayashi, Osamu Terashima, Fumiya Kinoshita, Hideaki Touyama
International Journal of Industrial Ergonomics 97 103502-103502 2023年9月

主な受賞
ASME Noise Control and Acoustics Division Student Paper Competition, On the Reduction of the HVAC Noise Using Active and Passive Noise Control Technologies, American Society of Mechanical Engineers
Koki SHIGE, Osamu TERASHIMA
県内企業の製造機械のリアルタイム取得による生産・製造効率の向上

富山県立大学特別研究員 寺島 修

県内企業の製造機械(プレス機械・成形機械・溶鉱炉・撹拌機)の機械情報の常時・連続取得を行い、その情報を機械学習を用いて分析することで生産・製造効率を図っている。また、これと並行して県内システムメーカとともに機械情報の常時・連続取得システムの開発も進めている。

主要論文
Study on the machine-learning based system for detecting abnormal pressure drops in hydraulic press machines, The International Journal of Advanced Manufacturing Technology 2024年1月17日
https://link.springer.com/article/10.1007/s00170-024-13001-3
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